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2015年6月17日水曜日

ボウイの不遇なモッズ時代のお蔵入り曲 ★ DAVID BOWIE / Even A Fool Learns To Love ★ 創唱はクロード・フランソワ:CLAUDE FRANCOIS / Comme D'habitude (1967年)

 今日はボウイの不遇なモッズ時代にお蔵入りとなった曲のこと。あの名曲スタンダード「マイ・ウェイ(MY WAY)」はポール・アンカがフランク・シナトラの為に英詞を付け大ヒットとなりました(1968年録音)。けれど、創唱はクロード・フランソワで、作詞はジル・チボー&クロード・フランソワ、作曲はジャック・ルヴォーによる1967年の曲。時のいたずらが運命を左右することはしばしば起こる。かのデヴィッド・ボウイがファースト・アルバムをリリースした同年1967年のこと。カリスマ・ボウイながらこのアルバムはまったく売れませんでした。デッカ~デラム時代のボウイはモッズ少年の頃。自身の活動の傍ら他のミュージシャンに曲を書いたり詞を提供したりもしていました。それにしてもモッズ時代のボウイ、美少年過ぎて目が合うのでドキドキします。


 どういう経緯かは分らないけれど、このクロード・フランソワの「いつものように(Comme D'habitude)」の英訳を受け「Even A Fool Learns To Love」として完成させたのだけれど、ボツとなる。未来への悠々と朗々たるポール・アンカの歌詞に比べ、なんとも線の細いボウイのお姿が垣間見られるようです。創唱者であるクロード・フランソワの方もポール・アンカの詞の世界とはまるで対称的な感じ。冷静に聴けばポピュラーソングとしては、やはりポール・アンカ&フランク・シナトラの方が売れるのは当然なのだと思えます。


 ボウイより8歳程年上のクロード・フランソワ(愛称はクロクロ)は、60年代初頭から英米曲をフランス語で多く歌っていました。その頃にご結婚されており、奥様がイギリス人だったことも関係しているかもしれません。クロード・フランソワは惜しくも浴槽で電球による感電(事故)で39歳の若さで死去されました。それでも、フランスでは今もなお人気を誇っているという伝説のお方。他にもメロウな曲に好きな曲が色々あります。

 また、お蔵入りしてしまう時期もあったボウイのデモ・テイクのようなものもYoutubeにありました。何故か、途中からリチャード・クレイダーマンによるピアノ曲となります。惜しくもボツにされてしまったボウイは「火星の生活(Life On Mars?)」で再びこの「いつものように(Comme D'habitude)」を想わせる曲を世に出すことに。古くからのボウイ・ファンの皆様の中では有名なお話のようです。また、当時のボウイはフランク・シナトラに影響を受けていたようで、後にフランク・シナトラの半生を描いた映画企画もあり、シナトラ役はボウイで、というニュースもありました。しかし、ボウイもまだお若く晩年のシナトラを演じるのは無理ではないか、などとの理由で却下されたとか、他にも噂がありましたが真相は定かではありません。


 

2015年6月16日火曜日

今日のフレンチポップス ★ レ・ネグレス・ヴェルト:LES NEGRESSES VERTES / Zobi La Mouche (1988年)

 今日は今年に入り2つ目の記事に予定していたレ・ネグレス・ヴェルトで、1988年の1stアルバム『MLAH』からシングルカットもされた曲「Zobi La Mouche」を。いつも想うこと。“フレンチってお洒落な音楽だけではないよ。”って。ロックもパンクもあるし、シャンソン・リテレールと呼ばれる文学的シャンソンまでとても多様。それらを総じて愛好しています。


 80年代の終わりにとんでもなくカッコいいバンドに出会えた、と今もあの歓喜が蘇ります。レ・ネグレス・ヴェルト!7人から10人以上の大所帯バンドで、皆、生粋のパリジャンではなく混血なのでした。これもまたフランス音楽の魅力ですが、80年代の終わりに登場して来たレ・ネグレス・ヴェルトやマノ・ネグラは画期的でした。ヴォーカルのエルノの吐き出す歌声はジョー・ストラマーを彷彿させ響きました。ザ・クラッシュは初めて買ったパンクロック・アルバム(後追いですが『白い暴動』をジャケ買い)だったので、エルノのヴォーカルがジョー・ストラマーを想起させるということは私にとって大きな意味があったのだと思います。

 レ・ネグレス・ヴェルトの音楽はロックではあるけれど、パンク、スカ、ライ、ポルカ、ジプシー音楽、ケイジャン、アイリッシュなどが入り混じった混血音楽。けれど、フランスが長年培ってきた古き良き音楽をも忘れてはいない。逆に彼等なりのかたちで蘇生しているとさえ思える美しい楽曲もあります。しかし、持ち味というか強烈な個性はやはり歌詞。猥雑な歌詞たるや!フランスの抱える社会的問題もそれらの歌詞の断片から伝わります。パリ郊外の低所得層の出身者たち、それも所謂移民の血を引く若者たちによるストリート・ミュージックから。面白く生き生きとしたスピリットに溢れていてグングン響いてくるのです。猥雑さの中に魂がある。おフランスの良さも好きなのですが、こうしたフレンチポップスをも愛してやみません。


 しかし、惜しくもそのお気に入りのヴォーカリストであったエルノは2ndアルバムの後はもう居ない。1993年にオーヴァードーズで他界されてしまいました。30歳を待たずに。でも、現在もバンドは続いています。フロントマンが居なくなった時の残されたメンバーの戸惑いはどんなだろう...とも想います。そして、私はその後もレ・ネグレス・ヴェルトの作品を聴いている。でも、どうしてもエルノのヴォーカルが好きで初期の二枚の作品を聴く回数の方が多いです。きっと、世界中に同じようなお気持ちのファンが多く居られることでしょう!


2015年6月14日日曜日

悦ばしき再会に感激!17年前に取材を受けた折の映像です ★ 【FRENCH】 TOP5 by VELVET MOON

 久しぶりの更新となります。更新しようと思っていた折に、あのパリでのシャルリー・エブド襲撃事件が起こりました。その衝撃と各報道から複雑な個人的想いがありました。そんな中、日本人の報道関係者の方々も巻き込まれ、首相の中東訪問なども重なり、とても気の重い日々でした。綺麗事では済まされない、世界の宗教紛争、人種問題が根深いものであるということを憂慮せざるを得ない現実。そんな憂鬱な日々ではありますが、「われ、歌うゆえに、われあり」と若き日のアルディが語ったように、「われ、愛すゆえに、われあり」と、私の選んだ道を、愛しき音楽たちと共に歩んでゆくのだと幾度目かの再確認のようなものを得るに至った次第です。

 心豊かに自由な表現と実験精神を胸に、愛しきものたちと伴に人生謳歌!がモットーです。いつも応援してくださる皆様や新しく出会える方々とのご縁に感謝しながら。ずっとこんな調子で生きているのですが、昨日嬉しいお便りが届きました。今から17年前に当店を取材してくださった番組担当のお方から。久しぶりの再会のきっかけは、私もライター参加させて頂きました『フレンチ・ポップ』本を書店で手にされたのだそうです。不思議な目に見えないものに美しい光を感じます。そして、当時の映像をアップロードしてくだったのでした。ありがとうございます!

 テーマは「カフェに似合うフレンチ・ポップス」のようなものだったと思います。テレビの収録とのことでとっても緊張していたものです。懐かしい映像を拝見しながら、あのアメ村の店舗を想い出すのでした。多くの方々との出会いがあの小さな空間であり、そして今も近くから遠くから応援くださる方々...嬉しさと勇気を頂けます。まだまだ青二才ですが、これからも精進いたします!皆様、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします☆



【FRENCH】 TOP5 by VELVET MOON

1位 Serge Gainsbourg / Couleur Cafe
2位 Pierre Barouh / Ca Va, Ca Vien
3位 Boris Vian / Cinematographe
4位 Francoise Hardy / Meme Sous La Pluie
5位 Enzo Enzo / Chanson Confidentielle


私も当然ながら今より17歳も若いのですが、性格も好きな音楽も変わっておりません。この頃の髪の色は濃い目のブラウンで、今の方がより大人気ないかもしれません。幼い頃から「何人なん?」と云われたり、髪が赤いことはコンプレックスでしたが、いつしかそのコンプレックスともすっかり仲良く生きています♪

2015年1月13日火曜日

『フレンチ・ポップ』 ディスク・コレクション ☆ 2015年1月下旬発売のお知らせです♪

 発売を楽しみにしている、『フレンチ・ポップ 』(ディスク・コレクション)単行本がようやく今月末に発売されることになりました。年末から延びていたのですが、表紙もamazonさんに掲載されましたので、こちらでもお知らせさせて頂きたいと思います。当店でも只今ご予約受付中(現在は販売中!)でございます。



単行本
~ ディスク・コレクション ~
『フレンチ・ポップ』
監修:佐藤篁之

A5判/192頁/本体価格2,200円+税
12月下旬発売予定が1月下旬発売になりました。
出版社:シンコーミュージック

60年代以来、我が国でも熱狂的なファンを育ててきたフレンチ・ポップ。その勃興期から、70年代~2000年代以降までを幅広く見渡した本格的なディスク・ガイドがいよいよ登場!! 

時代を作ったトップ・スター達を筆頭に、ロリータ・ポップ、フォーク、ディスコ、テクノ・ポップなど、多岐にわたるスタイルを網羅。また、「リテレール(詩的)」「レアリスト(現実派)」「サンティマン(感傷派)」「ファンテジスト(夢想的)」「アーティスティック(感覚的)」「アヴァンセ(新規・革新)」といった傾向別の項目を設け、各人の魅力をわかりやすく掘り下げていきます。

掲載アーティストの一部:シルヴィ・バルタン/フランソワーズ・アルディ/フランス・ギャル/ミッシェル・ポルナレフ/セルジュ・ゲンスブール/ジェーン・バーキン/ジョニー・アリディ/クロード・フランソワ/ジャック・デュトロン/ルノー/ピエール・バルー/レ・リタ・ミツコ/ブリジット・フォンテーヌ 他 
(引用:ブックデータより)

★全ページ・カラーで合計500枚のアルバムが掲載されています。
まだ完成したものを拝見していないのですが、
ライターの先輩方が選ばれた作品や紹介文もとっても楽しみです。

若輩者の私CHOUCHOUも1/4程担当させて頂きました。
好きで聴き続けて来て良かったとご縁に感謝しております。
この喜ばしき機会に恵まれ、多くの発見がありました。
日々、学びを痛感しながら、好きな世界をこれからも私なりに追求してゆきたいと思います。

各ジャンルやテーマでのディスク・ガイド本が幾種類もあり、ファンの方々は「あれ?~が入っていないね」とか「~があって~がないのはおかしい」...etc.という感想を抱かれる方も多いものですが、私はというと、監修された方の思いやセンスを愉しみたいと接しています。

何よりも、不遇な状況の今、愛しきフレンチポップス本が発売されることが嬉しいです!

2015年1月4日日曜日

今日のフレンチポップス ★ ブリジット・フォンテーヌ と アレスキー・ベルカセム:BRIGITTE FONTAINE et ARESKI BELKACEM / Le Bonheur (1975年)

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



 今年最初の投稿は先述の「しあわせ」繋がりで想起しました、ブリジット・フォンテーヌとアレスキー・ベルカセム(Brigitte Fontaine et Areski Belkacem)の1975年の名曲「幸福 Le Bonheur」になりました。不思議な内容の曲が多いフォンテーヌとアレスキーですが、この曲もまた摩訶不思議な寓話を語るように歌う絶妙なユニゾン。このアルバムが発売された折は、『ラジオのように』のヒットの潮流は静まり返り、フォンテーヌとアレスキーの存在はメディアから無視されていた頃。けれど、二人の情操としてのラディカリズムは動から静へと転じているようでもあります。

 スタジオライヴでしょうか。1977年の貴重な動画をyoutubeから共有させて頂きます。フォンテーヌとアレスキーの紡ぎ出す独特のハーモニーは、やはり私には優しく響き大好きです。時折反射して光る、フォンテーヌのお顔の3つのつけぼくろや衣裳も素敵です。ジャン=ルイ・トランティニヤンの姿も☆

2014年12月30日火曜日

アングン再び ★ ANGGUN / Little Things (2002年)


 アングンの曲で大好きな曲「Little Things」のことを書きかけては、下書きのまま過ぎてしまいました。インドネシアの国民的スターであるアングンは、フランス人のご主人と結婚され今はフランス国籍だそうです。「フレンチポップス」とは?漠然と云えば「フランス語」或いは「フランス人」が歌う曲なのでしょう。アングンはアルバムの中で、フランス語曲もあれば、英語曲もあり、また母国のインドネシア語で歌った曲もあります。

 人々のアイデンティティを考える折に、しばしば私の想いが複雑になるのは、人がある時点で国籍を変えることになったとしても、決して母国と決別したわけではないのだということです。なので、国際的には英語曲が最も伝わりやすくとも、敢えて母国語で歌う人達も多い。いくら世界的名声を得たとしても。そんな人達が好きでもあります。例えばアイルランドを代表する国際的歌姫であるエンヤは母国のゲール語を愛し母国語で歌う。その国々の伝統や歴史の中で培われたものがあり、それらは情操として表現される。世界中が英語曲ばかりになったら面白くもなんともない。わが国もいつの日にか公用語が英語になる日が近づく気配も無きにしも非ず。フランスはフランス語を守って頂きたい。私達も日本語を守りたいものです。異文化を愉しみながら。


 アングンの「Little Things」という曲はデンマーク映画の『しあわせな孤独』のエンディングで流れる曲です。この映画はスサンネ・ビア監督の2002年の作品で、デンマーク映画の革命児の如きラース・フォン・トリアー監督がビヨークを起用した、かの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の影響も強い、所謂「ドグマ映画」と呼ばれる手法を用いたものでもあり、アングンはこの制作に共鳴した様です。この映画『しあわせな孤独』でのもう一人の主役とでもいうべきアングンの歌唱はただただ素晴らしいのです。原題は『Open Hearts』ですがこの邦題がとても好きです。そして同時に考えさせられます。「しあわせ」とは?「孤独」とは?なんだろうと。私個人は共にこれらの言葉に肯定的です。そして、アングンの抑えた歌唱、表現力に共鳴し救われる気がしたものでした。

デンマークを代表する俳優であるマッツ・ミケルセン演じるニルスの人生の転落ぶりが悲しくも生を映し出していると想える映画なのですが、アングンのこのエンディング曲の持つ意味はあまりにも大きいのです。映画のサウンドトラックの醍醐味を想います。重い映画ゆえに、好き嫌いの分かれる作品だと想いますが、古い映画を好む私が2000年代以降に観た中で、とても心に残る映画の一つです。「しあわせ」や「孤独」は私の人生と片時も離れはしない。でもそれが人生なのだと受け入れながら生きています。小さな幸せに気づかないだけで、そおっと傍に居たりする。足元にあり見えないだけなのかもしれない。


 そんな事を考えながら生きています。明るい性格なのですけれど。『しあわせな孤独』の予告編をyoutubeより共有させて頂きます。台詞の言語はデンマーク語です。


2014年12月27日土曜日

今日のフレンチポップス ★ アングン:ANGGUN / Life On Mars (1997年)

 「フレンチ・ポップス愛好館」でのボウイ関連はやはりフレンチ繋がりの記事に特化してのもの。ボウイの数ある名曲の中でも「火星の生活 Life On Mars」はライヴなどでも色んな方がカバーされているのですが、アングンはライヴのみならず、1997年のアルバム『アングン』にも収録しています。ボウイの曲の中でもとても好きな曲だそうです。アングンはインドネシアの大スターで、子供の頃から歌っている天性の歌声の持ち主。今はフランスを拠点に活動されています。のびやかでハートフルな歌声に心を打たれます。


 アングンのオリジナル曲で、とびっきり大好きな曲の事を続けたいと思うのですが、先ずはボウイの名曲カバーの「火星の生活 Life On Mars」を先に♪

2014年9月27日土曜日

今日のフレンチポップス ★ ジャック・デュトロン&エティエンヌ・ダオー:JACQUES DUTRONC et ETIENNE DAHO / Tous Les Gouts Sont Dans Ma Nature

秋の足音が聞こえてくる季節になりました。夏や海が好きな方々に、或る種の羨望のような気持ちを子供の頃から抱いて来たような気がします。毎年、苦手な夏をなんとか乗り切ることはまったく些細な個人的課題の一つなのですが、今年はここ数年に比べると随分過ごしやすい夏でした。世界中で、そして国内でも色んなことが起きていますが...。

 

またもや久しぶりの更新となってしまいましたが、作業の片手間にちょこっと「今日のフレンチ・ポップス」を。かっこいい!ジャック・デュトロンの1995年のアルバム『BREVES RECONTRES』に収録の曲「Tous Les Gouts Sont Dans Ma Nature」をなんとなく。この曲はエティエンヌ・ダオーとのデュエット曲であり、どちらも大好きなアーティストです。youtubeよりライヴを掲載させて頂きます。




2014年8月29日金曜日

今日のフレンチポップス ★ リオ:LIO / J'obtiens Toujours Tout Ce Que Je Veux (1980年)

 リオ(LIO)が1980年にリリースした1stアルバム『LIO(美少女リオ)』に収録の「J'obtiens Toujours Tout Ce Que Je Veux(邦題:みんな欲しいの)」という曲。この頃のリオちゃんは17歳頃でしょうか、白いドレスに髪にはおリボン。ぴょんぴょん飛び跳ねて、兎にも角にもかわいいです。私の場合、女の子に滅法甘いので色んなかわいらしさを愛でる訳ですが、リオちゃんの場合はやはりパンク・ロリータです。ちょっと危うくて刺戟的。でも晴朗たるポップ・アイコンから逸れることはない。フレンチ・ポップ界に於いて異端なアイドル、ナンバー・ワン!
 
 リオはポルトガル生まれのベルギー育ち。70年代末にフランスより先にベルギーでデビューしていて、今やベテランの域に突入しているお方で女優としても活躍されています。フレンチ・ポップスのアイドルというと、シルヴィー・ヴァルタン、ジョニー・アリデイ、フランス・ギャル、フランソワーズ・アルディ、ジャック・デュトロン、シェイラ、ジェーン・バーキン...と、みんな60代後半~70歳を超えた大ベテランという世代で、日本では団塊世代とか全共闘世代などと呼ばれる世代です。ポスト団塊よりさらに後の世代のリオやエティエンヌ・ダオー、エリ・メデイロスやジャクノ(エリ&ジャクノ)、レ・リタ・ミツコ、ジャンヌ・マス、ミレーヌ・ファルメール、パトリシア・カース、ヴァネッサ・パラディ、シャルロット・ゲンズブール...といった80年代に登場したフレンチポップスのアーティスト達には、どうしても同時代性としての理屈を超えたシンパシーのようなものが、また、先輩世代に対する憧憬のようなものもずっとあります。映画やファッションなどは60年代後半から70年代前半の雰囲気がとても好きなので、80年代音楽は私にとって特別な気がします。なので、いつまでも“リオちゃん”であり続けるようです。


2014年7月23日水曜日

今日のフレンチポップス ★ ゲシュ・パティ: GUESCH PATTI / Let Be Must The Queen (1988年)

ゲシュ・パティのこの作品はレコードでジャケ買いしたものの一枚で思い入れも強いです。フランス盤でした。1988年...今から想うとそろそろ日本のバブルの終焉が近づいていた頃でした。当時の私はそんな日本が世界で一番だとか、嘘っぽい気がしていたものです。なぜでしょう...あまりにも表象的な騒音が活気でもあり、また精神の伴わない荒廃のような。お金や物質的には豊かになれど心は貧相になっているような気が漠然とありました。音楽関係のお仕事をずっとしているのですが、あの頃はただ毎日忙しく信じらない程、月に250時間程の勤務の時も。だからと云って上司の方々のような優雅な毎日でも無く、先輩と後輩の間で右往左往していました。でも、好きなお仕事に携わっている日々を私なりに愉しんでいたとも想います。最も痩せ細っていた時期もこの頃かもしれない。あまり体重が落ちすぎると病院に行く頻度が増えるので今もダイエットはしない、どちらかというと反ダイエット派ですが、それは人其々ですね。




 さて、このジャケットになぜ惹きつけられたのだろう、と振り返ってみると、直観的に、真っ白なチュチュ、真っ赤なトゥ・シューズで身を纏いながらも、邪悪で滑稽なデカダンを感じたからかも。音楽より先に映画の魅力に惹かれていた幼き頃、テレビで観た映画の『赤い靴』の衝撃は子供心に強烈な美と恐怖を感じたものでした。バレエを好きになったのも、すべての根源はあの映像にあるようです。
 
 ゲシュ・パティは特異な存在で、シャンソンという古い伝統を継承しながらも破壊的な革新さを伴う。優美であり、かつ猥雑さをも伴う耽美な世界。退廃もまた美であると思うのですが、私の苦手なグロテスクな嫌悪するものでもなく、そんな微妙な危ういバランス感覚が好きです。
 
 9歳の頃からクラシック・バレエを始めダンサーとして舞台出演していたという。表現者としての歌い手が好きなので、そのようなアーティストはただ歌唱力があるだけではつまらない。ゲシュ・パティがダンサーからシンガーへの道へ本格的に歩み始めるきっかけは、声がでなくなってしまった事によるそうです。治療の末、声が出るようになった折、すっかり元よりも太い声に変っていたのだと。その事実に屈せず、個性へと昇華することの出来る強靭な精神に慄きます。ゲシュ・パティはミック・ジャガーの大ファンでもあるそうですが、ゲシュ・パティを称し、“フランスのニナ・ハーゲン!”と当時なにかの雑誌で書かれていました。この日本盤の解説によると、本国フランスでは“エディット・ピアフとティナ・ターナーの競演!”と評されたりしていたそうです。

彼女はサッフォーより過激であり、フランソワーズ・アルディよりもロマンティックで、ブリジット・フォンテーヌよりも大きな宇宙を感じさせるだろうし、かつてのジャック・ブレルやエディット・ピアフを讃えつつも、フランスの持つ音楽イメージを崩壊させるために生まれた革命児とさえ言えるのではないだろうか。

 このように、山田道成氏も絶賛されております。私の好きなお方ばかりのお名前が登場し嬉しいです。“80年代的な”独特の雰囲気があります。パンク、ニュー・ウェイヴを経ての時代。それらの空気が今でもやはり好きな私には、ゲシュ・パティは麗しきデカダン(デカダンス)を纏ったお方に想えます。
 
 アルバム『LABYRINTHE(愛の迷宮)』の1曲目に収録されている「Let be must the queen」は、ゲシュ・パティによる作詞で、どうやら女装したゲイのダンサーのことのようです。素敵なPVです。この当時のツアー・コンセプトには、ジャック・ブレル、イギー・ポップ、ミハイル・バリニシコフの世界があったというのも納得です。コスチューム・デザインや舞台演出まで手掛ける才女でもあります。




Guesch Patti "Let be must the queen" - Labyrinthe (1988)




2014年7月17日木曜日

フレンチ・ポップスとの最初の出会い ★ フランソワーズ・アルディ / もう森へなんか行かない (1968年)

 不意にやってくる修行という名の学び。詳しい事は追々ながら、今日から大好きな「フレンチ・ポップス」を軸にしたブログを開始することにしました。思えば長い友でもあり、「フレンチ・ポップス」を語ることは自分史にも繋がる年齢になりました。まだ旅路の途中なので大いなる音楽との人生は続く。

 私が初めて「フレンチ・ポップス」を意識したお方はフランソワーズ・アルディ。不思議な音楽との邂逅を想う。16歳だったあの日は遠いようでなぜだかいつまでも近い。夢見る頃を過ぎても...。

 フレンチ・ポップスの誰もが認める大名曲や隠れた名曲、アルバムなどを勝手気ままに綴ってゆきたいと思います。久しぶりに聴くと、常に新たな再発見の連続です。

 1968年という年のフランスは五月革命がどうしても浮かぶ。大好きなフランソワーズ・アルディの好きな曲はいっぱい。けれど、最初に買ったアルディのレコードは色褪せることはない。嘗ての洋楽の日本盤(国内盤)は邦題が様々と付けられていて素敵だった。最近はそのままカタカナにした曲が多くなってしまったようで寂しい気もしている。アルディがご自身のイポポタンというレーベルを設立して発売し始めた最初のアルバムの中の曲、「もう森へなんか行かない」。

 日本ではドラマ「沿線地図」の主題歌にもなり、その時に発売されたシングルも購入した。1968年のアルディは24歳か25歳頃。アルデイはこの歌の中で幾度も“私の青春は行ってしまう”と歌う。アルディの心を歌う世界は奮い立たせるようなもの、刺激を求めることもあるけれど、いつも自然にすんなりと私の心にいてくださる。なので、安堵する。好きな曲の多くは淋しげで孤独。けれどいつも美しい。その孤独の影の美しさに心打たれる。私の好きな美しきものたちはリンクし合う。

 フレンチ・ポップスとの最初の出会いであるフランソワーズ・アルディの、1968年の代表曲「もう森へなんか行かない(MaジュネスFoutのル·キャンプ)」です。シャンソン·フランセーズの大名曲ですね。


「もう森へなんか行かない」

私の青春は行ってしまう
詩に沿って
韻から韻へ
腕をぶらぶらさせて
私の青春は行ってしまう
かれた泉の方へ
柳を切る人達が
私の20才を刈り取る

······

私の青春は行ってしまう
ギターの調べにのって
それは私自身から抜け出て行きましました
静かに
私の青春は行ってしまう
それは、錨を切って漂流しましました
それは、髪に
私の20才の花をさしている

······

私達はもう森へなんか行かない
私達はもう一緒に行かない
私の青春は行ってしまう
あなたの足どりのように
あなたが知っていたら
それがどんなにあなたに似ているか
でもあなたはそんな事は知らない
でもあなたはそんな事は知らない




レコード&CD棚 ★ シャンソン・フレンチポップス人名A to Z

レコード&CD棚 ★ シャンソン・フレンチポップス人名A to Z

★個人的に作品として鑑賞している、フランス語で歌っている作品、あるいはフランス語圏のアーティスト(歌のないイージーリスニングなどの音楽家も含んでいます)をメモを兼ねて列挙しております。約1万以上のレコード&CDを所有しているのですが、聴き込めていない作品も多いです。忘れてしまっている曲も多いので再聴しながら、まだ載せていないアーティストも追々にこのリストと記事などで更新してゆきたいと思います。

【A】
Air
Alain Barriere
Alain Bashung
Alain Chamfort
Alain Delon
Alain Souchon
Alan Stivell
Albert Camus
Alexandra Winisky
Alexis HK
Alfred Panou
Alice Dona
Alizee
Allain Leprest
Amelie Morin
Amina
Ana Torroja
Anais
Andre Claveau
Andre Popp
Ange
Anggun
Ann Krist
Anna Karina
Anna Prucnal
Anne Pigalle
Anne Sylvestre
Anne Vanderlove
Annie Cordy
Annie Girardot
Annie Philippe
Anny Gould
Anouk
Anouk Plany
Antoine
Antoine Tome
Areski Belkacem
Arielle
Arielle Dombasle
Arletty
Armande Altai
Arno
Arthur H
Atlantique
Atoll
Aude
Autour De Lucie
Axel Bauer
Axelle Red
Axelle Renoir

【B】
Bambou
Barbara
Baris Manco
Beatrice Arnac
Benjamin Biolay
Berthe Sylva
Bertolt Brecht
Bertrand Burgalat
Betty Mars
Bia
Bien
Big Mini
Blues Trottoir
Bob Sinclar
Boby Lapointe
Bony Bikaye
Boris Vian
Bourvil
Brigitte Bardot
Brigitte Fontaine
Buzy

【C】
Camille
Caravelli
Carla Bruni
Carole Laure
Caroline Loeb
Castafiore Bazooka
Caterina Valente
Catherine Demongeot
Catherine Deneuve
Catherine Fontaine
Catherine Lara
Catherine Ribeiro
Catherine Ribeiro + 2Bis
Catherine Ribeiro + Alpes
Catherine Sauvage
Catherine Spaak
Cathy Claret
Celine Dion
Chelsea
Chagrin D'Amour
Chantal Goya
Chantal Kelly
Chantal Renaud
Charles Aznavour
Charles Baudelaire
Charles Trenet
Charlotte Gainsbourg
Charlotte Rampling
Christine Lebail
Christine Legrand
Christophe
Claire Chevalier
Claire Perdigon
Clara Morgane
Clarika
Claude Bolling
Claude Ciari
Claude Francois
Claude Michel Schonberg
Claude Nougaro
Claudine Longet
Clemence
Clemence Lhomme
Clementine
Cleo
Clothilde
Colette
Colette Magny
Cora Vaucaire
Coralie Clement
Cortex
Czerkinsky

【D】
Daft Punk
Dalida
Damia
Dani
Daniel Balavoine
Daniele Vidal
Daniele Mille
Danielle Darrieux
Dany Brillant
Dave
David Alexandre Winter
David Mcneil
Debit De Chansons
Desireless
Deux
Diane Dufresne
Dianne Tell
Dimitri From Paris
Dolly
Dominique A
Dominique Barouh
Dominique Dalcan
Dominique Walter
Dragibus

【E】
Eddy Mitchell
Edith Piaf
Eileen
Elisa Point
Elisabeth Anais
Elli & Jacno
Elli Medeiros
Elodie Frege
Elsa
Elsa Leroy
Emmanuel Booz
Emmanuelle
Emilie Simon
Enrico Macias
Enzo Enzo
Eric Robrecht
Etienne Charry
Etienne Daho
EVA
Eva

【F】
Felix Leclerc
France Cartigny
France Gall
Francesca Solleville
Francis Cabrel
Francis Lai
Francis Lemarque
Franck Pourcel
Francois Deguelt
Francois Valery
Francoise Hardy
Francoise Kucheida
Francois Wertheimer
Francoiz Breut
Frederic Francois
Frehel
Frida Boccara
Fugu

【G】
Georges Brassens
Georges Moustaki
Gerard Manset
Germaine Montero
Gigliola Cinquetti
Gilbert Becaud
Gilbert Lafaille
Gilbert Montagne
Gillian Hills
Gipsy Kings
Gloria Lasso
Grande Magique Circus
Grande Sophie
Guesch Patti
Guy Marchand

【H】
Hector Zazou
Helena Noguerra
Helene Martin
Helene Segara
Herve Vilard
Henri Salvador
Herbert Leonardr
Hugues Aufray
Hugo

【I】
Ici Paris
Ignatus
Indochine
Isabelle
Isabelle Adjani
Isabelle Antena
Isabelle Aubret
Isabelle Boulay

【J】
Jacno
Jacqueline Boyer
Jacqueline Danno
Jacqueline Dulac
Jacqueline Francois
Jacqueline Taieb
Jacques Brel
Jacques Canetti
Jacques Dutronc
Jacques Higelin
Jacques Prevert
Jad Wio
Jane Birkin
Jean Bart
Jean Bonal
Jean-Claude Vannier
Jean Cocteau
Jean Ferrat
Jean Gabin
Jean Genet
Jean-Jacques Debout
Jean-Jacques Goldman
Jean-Jacques Perry
Jean-Louis Aubert
Jean-Louis Murat
Jean-Michel Jarre
Jean-Paul Sartre
Jean-Roger Caussimon
Jeane Manson
Jeanette
Jeanne-Marie Sens
Jeanne Mas
Jeanne Moreau
Jenifer
Jil Caplan
Jo Lemaire
Joanna Shimkus
Jocelyne
Joe Dassin
Joelle Ursull
Johnny Hallyday
Josephine Baker
Julien Baer
Julien Clerc
Julien Ribot
Juliette
Juliette Greco
Julio Iglesias

【K】
Kaapi
Karin et Rebecca
Kaolin
Kate Ryan
Katerine
Kazuko Hohki
Kent
Keren Ann
  
【L】
La Fomule du Baron
La Grande Sophie
Ladytron
Laila France
Lara Fabian
Las Ketchup
Laurent Voulzy
Le Baron Oli Le Baron
Le Petit Prince
Le Tone
Le Trio Camara
Leo Ferre
Leonie
Les Calamites
Les Compagnons de la Chanson
Les Djins
Les Double Six
Les Elles
Les Enfoires
Les Freres Jacques
Les Gam's
Les Innocents
Les Jumelles
Les Matchbox
Les Milady's
Les Negresses Vertes
Les Nouvelles Polyphonies
Les Objets
Les Parisiennes
Les Petites Souris
Les Rita Mitsouko
Les Surfs
Lewis Furey
Liane Foly
Lilicub
Lily Margot
Line et Willy
Lio
Lisa Barel
Lizzy Mercier Descloux
Louis Aragon
Louis Philippe + Dany Manners
Louise Vertigo
Lucid Beausonge
Lucienne Boyer
Lucienne Delyle
Lydia Verkine
Lys Gauty

【M】
M
Magma
Magali Noel
Malcolm Mclaren
Malicorne
Mama Bea Tekielski
Mami Chan
Mano Negra
Marc Lavoine
Marc Ogeret
Marcel Amont
Marianne Faithfull
Marianne Mille
Marianne Oswald
Marie Antoinette
Marie Dubas
Marie France
Marie Laforet
Marie-Josee Neuville
Marie-Poule Bell
Maripol
Marjorie Noel
Marlene Dietrich
Mary Goes Round
Mary Roos
Martin Destree
Mathematiques Modernes
Mathieu Boogerts
Maurane
Maurice Chevalier
Maurice Fanon
Maxime Le Forestier
Megumi Satsu
Melissa Mars
Mellow
Michel Arnaud
Michel Berger
Michel Colombier
Michel Delpech
Michel Fugain & Le Big Bazar
Michel Jonasz
Michel Legrand
Michel Polnareff
Michel Sardou
Michele Arnaud
Michele Torr
Mickey 3D
Mikado
Miossec
Mireille Darc
Mireille Mathieu
Mistinguett
Monique Morelli
Mouloudji
Muriel Dacq
Mylene Farmer

【N】
Najiwa
Nana Mouskouri
Nancy Holloway
Nathalie
Niagala
Nico
Nicole Croisille
Nicole Rieu
Nicoletta
Nilda Fernandez
Nino Ferrer
Noir Desir

【O】
Orwell

【P】
Paris Combo
Pascal Comelade
Pascal Obispo
Pascale Borel
Patachou
Patricia Carli
Patricia Kaas
Patrick Bruel
Patrick Juvet
Patsy
Paul Mauriat
Pauline Ester
Petula Clark
Philippe Clay
Phoenix
Pia Colombo
Pierre Akendengue
Pierre Barouh
Pierre Henry
Pierre Porte
Plastic Bertrand
Plastiscines
Poppys
Pussy Cat

【Q】

【R】
Ramuntcho Matta
Raphael
Raymond Lefevre
Regine
Renaud
Ria Bartok
Richard Anthony
Richard Clayderman
Robert
Ronnie Bird
Rose

【S】
Sacha Distel
Salvatore Adamo
Sapho
Sara Mandiano
Sebastien Tellier
Serge Gainsbourg
Serge Lama
Serge Reggiani
Severine
Sheila
Simome Signoret
Sinclair
Snooze
Soeur Sourire
Sophie
St Germain
Stella
Stinky Toys
Stone
Stone et Charden
Suzy Solidor
Swingle Singers
Sylvia Kristel
Sylvie Vartan

【T】
Tahiti 80
Taxi Girl
Telephone
Telepopmusik
Telex
The Little Rabbits
Thomas Fersen
Tino Rossi
Tiny Yong

【U】
Ute Lemper

【V】
Valerie Lagrange
Valerie Lemercier
Vanessa Daou
Vanessa Paradis
Veronique Jannot
Veronique Sanson
Viktor Lazlo
Vicky Leandros

【W】
Wapassou

【X】

【Y】
Yann Tiersen
Yannick
Yves Duteil
Yves Montand
Yves Simon
Yvette Giraud

【Z】
Zanini
Zazie
Zizi Jeanmaire
Zouzou